保育園経営コンサルタント 大嶽の『現場日記』

船井総合研究所で、日本で先駆けて保育業界の経営コンサルティング領域を確立した業界の第一人者が、毎日全国の保育園における経営コンサルティング活動を綴ったブログ

2020年5月4日 3:46 午後

3月の有効求人倍率から分かること

保育園 経営コンサルティング

みなさん、こんにちは。

船井総研の大嶽です。

 

緊急事態宣言が全国一律で5月31日まで延長になり、現状の自粛状況が継続されることになりました。

専門家の意見として、新規感染者数は5月末には東京でも二桁前半にまで低下していくという見方が多いことを考えると、もう少しの辛抱という見方もできますが、一方では頼りない経済対策により、失業者や自殺者も、感染者数と同等、もしくはそれ以上に不安視されるところです。

 

私が常にウォッチしている経済予測やアナリストの見解を見ると、今後の経済の落ち込みとして、経済成長率が如何になると予想しています。

 

・2019年10~12月(確定):▲7.1%

・2020年1-3月(予想):▲5%程度

・2020年4-6月(予想):▲20~25%

 

ということで、今回の経済対策が真水で5%程度という実態を考えると、第2弾、第3弾の追加補正で財政支援がないと、失業率が4~5%程度増え、失業者数は約300万人、自殺者が1万人を超えると言われています。

現在の日本の失業率は2.5ですので、これが6~7%となれば、チリ、パラグアイ、ペルーなどの南米の途上国と変わらない水準です。

 

このような深刻な状況の中で、3月の有効求人倍率が発表になりました。

 

以下の通りです。

 

※厚労省発表

※数字は前年同月対比

※()内は先月の増減率

【全体】昨年対比

・月間有効求職者数:+0.7(+1.0)

・新規求職申込件数:▲3.0(▲6.2)

・月間有効求人数:▲13.6(▲10.2)

・新規求人数:▲12.1(▲13.5)

・就職件数:▲8.6(▲15.6)

・有効求人倍率:▲0.23(▲0.19)

 

【常用※パート除く】昨年対比

・月間有効求職者数:+0.7(▲0.6)

・新規求職申込件数:▲2.9(▲7.4)

・月間有効求人数:▲12.9(▲10.3)

・新規求人数:▲11.4(▲14.1)

・就職件数:▲7.4(▲19.4)

・有効求人倍率:▲0.2(▲0.15)

 

【パート】昨年対比

・月間有効求職者数:▲0.4(+4.1)

・新規求職申込件数:▲2.1(▲3.8)

・月間有効求人数:▲12.9(▲7.8)

・新規求人数:▲10.8(▲10.7)

・就職件数:▲14.9(▲9.2)

・有効求人倍率:▲0.18(▲0.19)

 

前月と同様に、求職者は現状維持だが、求人数が2か月連続で二桁で落ち込み、パートの就職件数に至っては、▲14.9%と大幅に低下しています。

要するに、益々就職が厳しくなり、働きたくても働けない人たちが増えているのが数字を見ても分かります。

 

産業別にみると、求人が減っている産業の順位はこちら。

 

1位:製造業▲22.8(前回1位)→

2位:宿泊業,飲食サービス業▲19.9(前回圏外)↑

3位:サービス業(ほかに分類されないもの)▲18.1(前回2位)↓

4位:生活関連サービス業・娯楽業▲16.6(前回4位)→

5位:卸売業,小売業▲15.0(前回5位)→

 

宿泊業、飲食サービス業が先月の2月段階では5位に入っていませんでしたが、3月は2位に急上昇しています。

4月の数字はもっと苦しくなることが予想されます。

 

尚、保育業界の状況はどうかと言いますと、こちらです。

 

教育・学習支援業+1.4(▲7.3)・・・幼稚園が該当

医療・福祉▲3.4(▲7.0)・・・保育園が該当

 

ということで、この業界は減少幅は他の業界に比べると少ないのですが、教育業は求人数が昨年よりも増えており、医療福祉は特に医療の影響などもあり微減です。(社会福祉だけでも▲2.2)

 

ちなみに前回も示しましたが、前年の数字を見ると、

 

教育・学習支援業(+10.7)

医療・福祉(+4.2)

 

ということで、求人はかなり増加傾向にあったにもかかわらず、この2月、そして今回の3月はガクンと求人が減ったことになります。

 

改めて前月から引き続き、経営の観点で整理すると、2月~3月は幼稚園も保育園も求人が減少していたため、肌感覚で感じない人もいると思いますが、多少採用は落ち着いていたようです。

これは少なくとも6月くらいまでは続くことが想定されますが、それは決して「採用が楽になる」というレベルではなく、それ以降に集中して求人が増える可能性があること、さらに、これまで都市部を中心に有効求人倍率が極めて高い位置で高止まりしていた深刻な状況なので、景気に左右されない業種という特性を鑑みると、多少有効求人倍率が減少しても、保育士不足感が解消するレベルではないように思います。

 

改めて、2020年度の採用計画は、前倒しで先手先手を意識して、長期的に動くようにしてください。

 

ではまた。